1992年、ブラジル・リオデジャネイロで開催された地球サミットにおいて、持続可能な社会環境を実現するための取り組みとして、当時はまだ一般に知られていなかった、ある環境保全活動が紹介されました。
違法伐採が進むブラジルの森林自然を守るため、それまで伐採を行っていた村人に対して観光ガイドとしての技術を教え、学んだ村人が森林自然の大切さを観光客に伝えて収入を得るという、一石二鳥の活動です。それが「エコツーリズム」でした。
その当時、私は最先端の環境学を学ぶため、環境保全の先進国であるアメリカの大学院に留学していました。 ボーイスカウトやスキューバダイビングなどを通して大自然の素晴らしさに触れていた私は、私たちの生活の「利便性」や「安心」のため、貴重な自然環境がことごとく破壊・汚染されている状況に強い疑念を抱き、自然環境と共存する方法を模索していたのです。
「エコツーリズム」は、現在では世界各地で導入されて世界的なブームになっていますが、当時は、未だ導入事例も僅かで、国際会議で紹介されるにとどまっていました。 しかし私にとっては、まさに求めていた「答え」を見つけた、人生を変える出会いでした。
その時から「エコツーリズム」は私の人生の一部になりました。