Think Globally, Act Locally. Think Locally, Act Globally. (世界を意識して、地域で行動する。地域の経験を活かし、世界を変える。)2021年7月13日

一般社団法人エコロジック代表の新谷(MASA)です。
より私たちの活動を理解していただきたいとの思いで、本日よりブログを始めることにしました。どうぞよろしくお願いします。

現在、JICA(国際協力機構)のエコツーリズム開発プロジェクトの専門家派遣のため、ボツワナに来ています。エコロジックは、30年近く前に私が米国フロリダの大学院で出会ったエコツーリズム(Ecotourism)という考え方に衝撃を受け、その理想を実現するために立ち上げた団体です。

今まで、世界17か国でエコツーリズム開発事業に携わってきましたが、エコツーリズム的なものが行われているものの、その多くが大きな間違いを犯していることに気づきました。それは、地域に住む人たちの関りがあまりに少ないことです。オーナーはローカルではなく海外資本であり、ガイドは外からのガイドであり、収益の多くは投資者に流れていくという仕組みとなっていることです。

ここボツワナも同様のようです。今回の私の役割は、これから4年かけてコミュニティーが主導となるエコツーリズム(Community-based Ecotourism)を構築するというものです。大規模観光開発ではなく、そこに住む住民が観光で収益を得て、彼らが自然の価値に改めて気づくことで、自然と価値ある伝統文化を守るそのような人達を育て、仕組みをつくり、必要最小限の施設をつくる仕事です。

話は変わりますが、よく多くの方から「みなさんは何の仕事をしているの?」と聞かれます。うちの娘たちも、地域の方や地元の学校の先生方から聞かれていた(今も聞かれている)ようです。まあ、未だに説明ができないようですが(笑)。。。単純に言うと、日本のODA(途上国に対する政府開発支援)の一環として派遣されている有償のエコツーリズム専門家およびその集団がエコロジックなのです。実はこの有償というのが大切です。

すなわち、プロということです。ODA事業は責任があります。それは日本国の税金を使用しているからです。だから失敗は許されません。全く訪れたことがない現場で、多言語で交渉、計画、様々な事業活動を行い、期間中に成果を出さなければいけません。現地の政府機関、NGO、住民などの関係者から短期間のうちに信頼を得る必要があります。私は自分の仕事に心より誇りを感じています。

2017年よりエコロジックは、私たち家族が20年暮らし、娘たちを育ててくれた地元富士宮でインバウンドを専門とするEn-Ya Mt. Fuji Ecotoursを立ち上げました。理由はいたって簡単です。世界での経験をもとに、私が海外に出ている間に家族を守ってくれた富士宮への恩返しと、心から愛する富士山の素晴らしさを世界の方々に伝えたかったからです。

ありがたいことに、このコロナの間でも、私たちの思いを理解してくださった世界の旅行会社さまから、今でも沢山の依頼が来ています。実を言うと、本当はインバウンドだけをやりたかった訳ではありません。理想は、私が25年前ハワイ島で天文観察ツアーをやっていた時のように、大自然の前で、エコツアーを通じて世界の方と日本の方がともに感動を分かち合う場が作りたかったというのが本当の思いです。そして、その場が今年の3月に富士宮にオープンしたMt. Fuji Satoyama Vacationです。富士の麓にある里山でゆっくりとした時間を過ごし、エコツアーを通じて地域のかっこいい仲間からのストーリーを共に聞き、それを肴に富士山に見守られながら、日本の方、世界の方が炎の前で語りあう。それがまさに私の25年以上前からの夢でした。

エコロジックには現在、3名のスタッフがいます。一人は私の夢に賭けて、サポートを続けてくれて来た妻。そして、アフリカガボンのゴリラをエコツーリズムで守るため、現場経験を積むために働いてくれている女性。野生動物を守り、その大切さを伝えるために転がり込んできた男です。そして、これからラオスとガボンの現地で働いてくれる女性スタッフが2人増えます。

彼らには、とにかく自分で考え、現場で経験して、それをもとに世界で活動できるようになりなさいと伝えています。海外は日本のODAを期待します。ただ実はもっと期待されているのは、本当の専門家です。いま世界の途上国支援は、「金とモノ」で動いていますが、「モノづくりは人づくり」を実践する日本人として、エコロジックの現場であるMt. Fuji Satoyama VacationとEn-Ya Mt. Fuji Ecotoursで、しっかりと現場経験を積んでもらいたいです。そして、その経験をもとに、世界の人や生物を守り、逆に彼らから学んだものを富士宮に戻してもらいたいという思いで活動をこれからも続けていきます。

「Think Globally, Act Locally. Think Locally, Act Globally.
世界を意識して、地域で行動する。地域の経験を活かし、世界を変える。」

これから、このモットーを実現するためのチャレンジを、スタッフみんなでこのブログを通じて発信していきます!
応援よろしくお願いします。